研究課題/領域番号 |
11470393
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
宇田川 信之 昭和大学, 歯学部, 講師 (70245801)
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研究分担者 |
片桐 岳信 昭和大学, 歯学部, 講師 (80245802)
新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞分化因子 / 破骨細胞形成抑制因子 / 遺伝子欠損マウス / 骨吸収 / 活性型ビタミンD / 副甲状腺ホルモン |
研究概要 |
破骨細胞は高度に石灰化した骨組織を破壊・吸収する唯一の細胞である。骨吸収を司る多核の破骨細胞はマクロファージ系の前駆細胞より分化する。この破骨細胞の分化と機能は、骨形成を司る骨芽細胞あるいは骨髄由来の間質細胞により厳格に調節されている。最近、骨芽細胞が発現し破骨細胞の分化と機能を調節する腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーに属する破骨細胞分化因子(osteoclast differentiation factor,ODF/receptor activator of NF-κB ligand,RANKL)がクローニングされ、骨芽細胞による骨吸収の調節メカニズムのほぼ全容が解明された。骨吸収の調節は、Ca代謝調節ホルモンと共に局所で産生される各種のサイトカインが重要な役割を担っている。各種の骨吸収促進因子は骨芽細胞あるいは間質細胞に作用してRANKLの発現を促進する。 今回計画された研究から骨芽細胞は破骨細胞前駆細胞の破骨細胞への分化過程のみならず、単核破骨細胞の融合と延命そして成熟破骨細胞の活性化の過程にも重要であり、両者の直接接触が必須であることが明らかとなった。一方、TNFαやIL-1は破骨細胞前駆細胞や破骨細胞にそれぞれ直接作用し、その分化や骨吸収機能を促進することも明らかにされた。また、破骨細胞分化を制御するTリンパ球の重要性を示す実験結果も得られた。すなわち、活性化T細胞が産生するIL-17は骨芽細胞に作用してRANKL発現を強く誘導することにより破骨細胞の分化を促進する可能性と、活性化T細胞自身におけるRANKLの発現が破骨細胞の分化を誘導する可能性である。さらに最近、骨形成因子(BMP)をはじめとするTGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインがRANKLの存在下で破骨細胞の分化を促進する実験結果も得られた。
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