研究概要 |
マクロファージは歯周病原性因子の一つ、グラム陰性細菌によりMIF, MMP, PGE_2, IL-1β,活性酸素など100種類のケミカルメデイーターを産生し、歯周病の発症、進展に大きく関与している。しかしながら、MIF(マクロファージ遊走阻止因子)が歯周病の発症、進展にどのように関わっているのか不明である。今回、この点を明らかにするためにMIFの歯周組織の局在、ならびに歯周病の発症、進展とMIF, PGE_2,IL-6の関係について研究した。その結果、次のことが明らかになった。 (1)MIFは抗ヒトMIF抗体を用いる免疫組織化学染色から歯肉上皮に発現していることが解った。 (2)ラット腹腔細胞より分離したマクロファージのMIF産生は歯周病原性因子の一つ、リポポリサッカライドの刺激により濃度依存的に増加した。そしてその産生はTNF-α,PGE_2,IL-6産生と相関した。 (3)歯周病の進展にともない歯周組織のPGE_2産生量は増加した。
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