研究概要 |
正常あるいは炎症歯髄におけるco-stimulatory molecules,サイトカインの免疫組織化学的あるいは分子生物学的検出を行い,各種免疫担当細胞の局在・動態との関連を検討することを目的とし、下記の知見を得た。 1.免疫組織化学的検討 ラットの下顎第一臼歯正常歯髄、及びこれを露髄させ開放のまま放置することにより惹起した実験的炎症歯髄を検索の対象とし、酵素抗体染色により下記の発現状況の検索を行った。 1.co-stimulatory molecules:CD28,CD40,B7 2.cytokines:IL-1α,TNF-α,IFN-γ 3.樹状細胞マーカー:MHC class II molecules,OX62抗原 4.マクロファージマーカー:ED1抗原,ED2抗原,CD14 5.Tリンパ球マーカー:αβT cell receptor 6.inducible nitric oxide synthase(iNOS) その結果、正常歯髄、炎症歯髄ともTNF-に対するimmunoreactivityを示すマクロファージ様の細胞の存在が確認された。またiNOSのimmunoreactivityは正常歯髄では検出されなかったが、炎症歯髄では露髄部近傍に集積するマクロファージ様の細胞に強度に発現されていることが確認された。 2.分子生物学的検討 ラットの上顎切歯にLPS貼付を行うことにより,実験的に歯髄炎を惹起させたのち、RT-PCR法にて歯髄におけるiNOSのmRNA発現状況を検索した.その結果起炎後6時間をピークとするiNOSのmRNA発現が確認された。
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