研究分担者 |
佐藤 範幸 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00271669)
奥田 耕一 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (10204124)
高道 理 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (90154905)
會田 英紀 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10301011)
|
研究概要 |
本研究は、産業界で多品種少量生産のための金型作製技術を主として発展してきたラピッドプロトタイピング技術の歯科領域への応用を目指して行ってきた。特に、ここでは、(1)歯科用CAD/CAMシステムを利用する際の加工技術の一つとして捉えるもの、(2)手術シミュレーション用生体実体模型を作製し、顎変形症などのチームアプローチを行う際の手術計画立案とより良い咬合関係の確立のための一助に利用するものの二つについて並行して検討してきた。 このうち、前者はセラミックス/ポーセレンクラウンの積層造形による作製を目指したが、焼成時の体積収縮に伴う形状のコントロールが難しく,我々が求める精度に対する技術的確信やブレイクスルーは未だ得られなかった.一方で,産学で進み始めた金属の積層造形について,特にチタンによる造形が可能になりつつあり,生体に直接応用できる可能性があるためたいへん期待をしている.これについては,さらに情報収集を行って検討を続けたい。 後者の手術シミュレーション用模型の作製については、昨年,CTのデータを積層造形用のSTLデータへ容易に変換する手法として提案した Voxel Formed STL形式をベースに,CTのボリューム全体に3次元のBi-Cubic法による補間を施してデータの拡張を行い,細部での形状の欠落を極力抑える事ができた.結果として1Voxelのサイズが0.25(W)×0.25(D)×0.50(H)mm程度で良好な手術シミュレーション用模型を実用的に作製することが可能となった. 筋肉などの軟組織に対するアプローチでは,咬筋については処理が可能となったものの,今後はより容易な組織の認識・抽出が不可欠であると思われた.そこで,新たに領域拡張法の導入を試みているが,現在はまだテスト中である.これについても,本課題終了後も引き続き検討を重ねていきたいと考えている.
|