研究課題/領域番号 |
11470428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 邦明 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40133748)
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研究分担者 |
出山 義昭 北海道大学, 歯学部, 助手 (80271667)
吉村 喜隆 北海道大学, 歯学部, 助手 (30230816)
平沖 敏文 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (10125346)
飯田 彰 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90292036)
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キーワード | 全身麻酔薬 / イソフルラン / Na,K-ATPase / NMR / アルカリ性ホスファターゼ |
研究概要 |
1.全身麻酔薬イソフルランのNa, K-ATPaseに対する作用を調べて、次のような結果を得た。(1)イソフルランは濃度依存的にNa, K-ATPaseの全活性、部分活性であるNa-ATPase活性、K-pNPPase活性を阻害し、それぞれのIC_<50>値は、2.40%、1.12%、0.88%であった。(2)5%イソフルランで活性を阻害した後にイソフルラン濃度を希釈すると活性が回復することから、阻害は可逆的であると考えられる。(3)Na, K-ATPaseのリン酸化反応中間体(EP)形成については、全活性が阻害される5%でEP形成は阻害されず、さらに7%まで濃度を上げてもEP形成量には変化はなかった。(4)EPのADPあるいはKに対する反応性を調べたところ、Kに対する反応性が低下していた。以上の結果は、イソフルランはEPのKに対する反応性を低下させることによって、Na, K-ATPase活性を抑制することを示唆する。 2.吸入麻酔薬の水への溶解性は低く、水溶液中での濃度決定は困難である。そこで現在使用されている多くの吸入麻酔薬が、フッ素原子をもつことに着目して、フッ素のNMRによってイソフルレンの濃度を決定する系を確立した。 3.吸入麻酔薬の作用部位が、細胞形質膜の脂質であるのか、タンパク質であるのかを調べることを目的にして、酵素活性に脂質を必要としないアルカリ性ホスファターゼに対する吸入麻酔薬の作用を調べた。その結果吸入麻酔薬はタンパク質に直接作用し、タンパク質の構造のわずかの変化も麻酔薬の作用に影響することを明らかにした。
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