研究分担者 |
出山 義昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80271667)
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
平沖 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10125346)
飯田 彰 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90292036)
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研究概要 |
1)吸入麻酔薬の作用部位が、細胞形質膜の脂質であるのかあるいはタンパク質であるのかを調べることを目的にして、酵素活性に脂質を必要としないアルカリ性ホスファターゼに対する吸入麻酔薬の作用を調べた。その結果吸入麻酔薬はタンパク質に直接作用し、タンパク質の構造のわずかの変化も麻酔薬の作用に影響することを明らかにした。 2)神経遮断性麻酔に用いられるドロペリドールのNa,K-ATPaseに対する作用を調べ、ドロペリドールはNa,K-ATPaseのナトリウムに対する親和性を低下させることによって、Na,K-ATPase活性を抑制することを明らかにした。 3)リチウムはNa,K-ATPaseに対してカリウムおよびナトリウムの両方に類似した作用を示すがカリウム様作用のほうが強いことと、リチウム塩はNa,K-ATPaseに対してカリウムに類似した作用機構でATP加水分解を促進しうることを示している。 4)代表的な催眠薬および抗不安薬であり、静脈麻酔薬としても使用されるベンゾジアゼピン系薬物のNa,K-ATPaseに対する作用を調べ、ベンゾジアゼピン類はEP形成以後の反応過程に作用して、Na,K-ATPase活性を抑制することを明らかにした。 5)Na,K-ATPaseを3種類の電子スピンラベル試薬で修飾した標品を調整した。今後、電子スピン共鳴スペクトルを測定し、スペクトルに対する各種麻酔薬の影響を測定する予定である。
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