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2001 年度 実績報告書

口腔癌の予後予測因子に関する臨床,免疫組織および分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11470431
研究機関新潟大学

研究代表者

新垣 晋  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30134943)

研究分担者 高田 真仁  新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10251828)
キーワード口腔癌 / 血管新生 / 転移 / 血管内皮細胞増殖因子 / 微小血管密度 / 予後
研究概要

血管新生は腫瘍の増殖から転移の過程において現在最も注目されている事象の一つである。腫瘍血管が豊富なほど腫瘍細胞は血中に入りやすく、血管新生能の強い腫瘍ほど標的臓器の微小環境において腫瘍血管を誘導し転移巣を形成しやすいと考えられる。
腫瘍血管新生において最も重要視されている因子がvascular endothelial growth factor(VEGF)であり、VEGFの腫瘍細胞における発現と血管新生の亢進との間に正の相関が様々な腫瘍で認められている。本年度は腫瘍血管新生と血中腫瘍細胞との関係を臨床、免疫組織化学及び分子生物学的に検討し口腔癌の新しい予後予測因子を検索した。
腫瘍血管新生を腫瘍周囲の微小血管密度(MVD)と腫瘍によるVEGF発現をみることでの評価した。血管密度と血中腫瘍細胞との関連性をみると血管密度が高くなるにつれて血中腫瘍細胞の検出率も高くなることから、血管新生の増加に伴って腫瘍の血管侵襲が強まり血中腫瘍細胞数の増加につながるものと考えられた。リンパ節転移と血中腫瘍細胞検出との関連性をみるとリンパ節転移陽性例に血中腫瘍細胞陽性が陰性と比較して有意に高かった。このことは口腔扁平上皮癌ではリンパ節転移が全身化の第一段階であることを示している。生検での微小血管密度、VEGF発現、術前の血中癌細胞の有無を検索することでリンパ節転移の予測が可能と考えられる。また、これらを総合的に評価することで遠隔転移をも予測可能と思われる。
今後の研究課題として化学療法による微小血管密度の変化、VEGF発現の変化、血中腫瘍細胞の消長、術中の血中腫瘍細胞検出に基ずく手術適応、血中腫瘍細胞の特性の解析が必要と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shingaki S: "Squamous cell carcinoma of the mandibular alveolus : analysis of prognostic factors"Oncology. 62. 17-24 (2002)

  • [文献書誌] Ito M: "Jaw bone remodeling at the invasion front of gingival sqaumous cell carcinoma"J Oral Pathol Med. (in press).

  • [文献書誌] Shinzaki S: "Impact of lymph node metastasis on the pattern of failure and survival in oral carcinomas"Am J Surg. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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