研究課題/領域番号 |
11470433
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水谷 英樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30167663)
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研究分担者 |
畠 賢一郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (80293710)
各務 秀明 名古屋大学, 医学部, 講師 (80242866)
上田 実 名古屋大学, 医学部, 教授 (00151803)
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キーワード | 顎関節 / 癒着 / 培養 / 電顕 |
研究概要 |
顎関節内癒着病変の発生機序を解明する前段階として、まず顎関節鏡視下に採取した癒着病変組織(band-like adhesion、pseudo-wall adhesion)の培養条件の確立および培養細胞の形態学的観察を行った。17歳から48歳の男性2名女性19名の顎関節症患者から採取した癒着病変組織を10%FBS添加Dulbecco's modified Eagle's medium 1 mlを満たした35mm dishに静置し、5%CO_2、37℃で器官培養を施行した。約72時間後に癒着病変組織周囲に細胞が出現し、これら細胞を継代培養した。細胞増殖速度をヒト培養皮膚線維芽細胞、ヒト培養口腔粘膜線維芽細胞をコントロールとして比較したところ、癒着病変部由来細胞は有意に遅いことを示した。継代培養した細胞をKarnovsky固定後、透過型、走査型電子顕微鏡にて形態観察を行った。透過型電顕観察により、癒着病変部由来細胞は線維芽細胞様細胞、滑膜A細胞様細胞で構成されていることが明らかとなった。癒着病変部が発生する関節腔内環境は、前方転位、内方転位した関節円板、炎症性滑膜組織が近接しており、これら組織由来の細胞で癒着病変部の発生が生じることが示唆された。走査型電顕観察では近接する細胞に伸びる発達した細胞突起とマイクロフィラメントが観察された。さらに継代培養した癒着病変部由来細胞をtype I collagen gel内三次元培養を施行し経時的にgelの直径を測定した。コントロールとしてヒト培養皮膚線維芽細胞を用いた。コントロールと比較し癒着病変部由来細胞gel収縮は緩徐であるが、症例によって経時的収縮曲線の差があり、臨床症状を反映していることが示唆された。 今後、本科研費により購入した、光顕用ミクロトームも用いて癒着病変試料の連続切片を作製し、各種細胞外マトリックス抗体、細胞接着蛋白抗体を用いた免疫組織化学染色を行い、臨床症状との比較、癒着発生のメカニズムについて検索を行う予定である。
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