研究概要 |
腫瘍抗原ペプチドの効果的な使用方法を検討するために、平成10年度より腫瘍抗原ペプチドとMuramyl dipeptide(MDP)をアジュバントとして共に担癌マウスに投与することにより担癌マウスの50%生存期間の延長が認められることを確認してきた。またこのマウスより採取したspleen cellのInterleukin 2(IL-2)産生能及びInterferonγ(IFNγ)産生能はコントロールマウスと比較して上昇がみられていた。腫瘍抗原ペプチドとMDPの抗腫瘍活性にはこれらのサイトカインの関与が示唆されたため、さらに腫瘍抗原ペプチドとIL-2を担癌マウスに投与したところ同様に50%生存期間のさらなる延長がみられた。また腫瘍抗原ペプチドとMDPとIL-2を投与された担癌マウスのspleen cellにおいては、癌抗原ペプチドとMDPを投与された担癌マウスと比較し、高いCytotoxic T lymphocytes(CTL)活性を示した。これらの腫瘍抗原ペプチドとMDPとIL-2を投与された担癌マウスはIFNγ産生能もさらに高くなった。担癌マウスにIL-2を投与することによりIL-2レセプターの発現が上昇することも明らかとなった。これらの成果は5th Mediterranean Congress of Oral and Maxillofacial Surgery,European Association for Cancer Research XVI 2000 meetingにて発表した。
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