研究課題/領域番号 |
11470439
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大石 正道 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70037505)
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研究分担者 |
鮎川 保則 九州大学, 歯学研究院, 助手 (50304697)
中村 典史 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60217875)
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キーワード | 口唇口蓋裂 / 顎裂 / 自家骨・アパタイト混合移植 / インプラント |
研究概要 |
口唇口蓋裂患者の顎裂部へ二次的自家腸骨海綿骨髄(PCBM)とハイドロキシアパタイト(HA)顆粒の混合移植術(重量比1:1)の有用性を、PCBM単独移植術と比較した。対象は13歳以上で、骨移植が行われるのに最適と報告されている年齢より高かった。術後成績の比較は、骨吸収程度、歯槽頂の高さの経時的変化および合併症の出現頻度について検討した。その結果、移植骨の吸収程度は、PCBM単独移植群に比べPCBMとHA顆粒においてより軽度であった。歯槽頂の垂直的高さは、PCBM単独移植群に比べてPCBMとHA顆粒混合移植群で、歯頚部に近いより良好な位置に維持される傾向にあった。すなわち、PCBMとHA顆粒混合移植術は、手術時年齢が高い口唇口蓋裂患者の骨移植術に有効であると思われる。また、移植後は同部位への歯科治療として、歯の萌出誘導・移動、補綴処置など行われてきたが、近年はインプラント植立により咬合形成を行う報告がされている。そこで、PCBMとHA顆粒混合移植部へのインプラント植立の可能性について、家兎口腔内を用いて実験を行った。実験方法は、まず家兎上顎前歯抜去後、骨欠損部を作成した。次に家兎腸骨骨髄を採取し、欠損部へ1)自家骨のみ、2)自家骨とHA顆粒を重量比1:1に混合したものを填入した。移植術60日後、移植部へインプラントの植立を行ところ、自家骨移植部と同様に、混合移植部へのインプラント植立は可能であった。移植骨に対して持続的刺激を与えることが移植骨の吸収を防ぎ、長期の安定に繋がるとの報告がみらことから、今後は混合移植部に植立したインプラントに対して負荷を加え、インプラント界面とHA顆粒周囲の組織形態学的観察を行う予定である。
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