研究課題/領域番号 |
11470442
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
椙山 加綱 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 教授 (50124772)
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研究分担者 |
吉富 達志 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80305151)
横山 幸三 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80191518)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 高齢者 / 循環器系疾患 / エピネフリン / 歯科用局所麻酔薬 |
研究概要 |
高齢循環器系疾患患者における1/20万エピネフリン添加リドカインの心血管系に及ぼす影響をみるために、一般成人と高齢者における循環動態変動について比較検討した。 対象は、全身麻酔下に口腔外科手術が予定された患者14名で、65歳未満群(以下I群、n=7)と65歳以上群(以下II群、n=7)に分けた。手術室入室30分前に麻酔前投薬を行い、超短時間作用性バルビツレイト3〜5mg/kgを静注して麻酔を導入し、臭化ベクロニウム0.1mg/kgの静注により筋弛緩を得た後、気管内挿管を行った。麻酔の維持は酸素、亜酸化窒素、プロポフォールでで行った。連続指血圧測定装置Portapres Model2を患者に装着し循環動態および呼吸状態が安定したのち、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧、心拍数、1回拍出量、心拍出量、全末梢血管抵抗値などを測定し対象値とした。その後、1/20万エピネフリン添加リドカインを浸潤麻酔し、麻酔直後から5分間上記項目の測定記録を行い対照値と比較した。 その結果、収縮期、拡張期および平均血圧は局所麻酔注射後一過性に上昇したが、I群では80秒後に、II群では110秒後に有意差をもって低下した、心拍数はI群では注射90秒後に増加したが、II群では注射後80秒間は変化せず140秒後に増加した。1回拍出量は両群共に増加傾向を示したが有意な変化ではなかった。心拍出量はI群では90秒後に、II群では130秒後に有意な増加が認められた。全末梢血管抵抗値はI群では90秒後に、II群では130秒後に有意に低下し、300秒後にはII群ではほぼ投与前値に回復したのに対してI群では低値を示したままであった。 本研究結果から、1/20万エピネフリン添加リドカイン投与後の循環動態変動は一般成人と高齢者との間で30〜50秒の時間差があることが明らかになった。
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