研究課題/領域番号 |
11470444
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
安田 浩一 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30230220)
|
研究分担者 |
森 亮太 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (50298410)
中山 洋子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30308647)
古澤 清文 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90165481)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
キーワード | 口蓋帆挙筋 / 舌咽神経 / ミオシン重鎖 / 疑核 / 嚥下 / 呼吸 / HRP |
研究概要 |
本研究は生理学的および解剖学的な事実に立脚した口蓋形成手術の改良あるいは開発を行うために、ラットを用いて口蓋帆挙筋の機能特性を明確にすることを目的としている。平成11、12年度には口蓋帆挙筋の運動および感覚ニューロンの機能特性や形態学的特徴について、電気生理学的手法およびhorseradish peroxidase神経標識法を用いて検討した。ラットの口蓋帆挙筋支配する運動神経細胞は、同側の疑核内で吻尾的レベルの異なる2つの細胞集団として観察され、吻側の細胞集団はBotzinger Complexに相当し、尾側の細胞集団はrostral ventral respiration groupに位置していた。これらの結果は、口蓋帆挙筋が呼吸に関連して活動するとした電気生理学的実験結果と一致した。また口蓋帆挙筋の感覚神経細胞体は同側舌咽迷走神経複合神経節に観察され、その一次求心線維は同側の孤側核に投射した。これらの結果は、口蓋帆挙筋が孤側核で統合される咽頭や喉頭からの感覚情報の影響を受けることを示唆した。平成13年度は免疫組織学的手法を用いて、口蓋帆挙筋の筋線維構成について検討した。その結果、口蓋帆挙筋の筋線維は抗fast抗体および抗slow抗体陽性の筋線維が混在する領域と、抗fast抗体のみ陽性の筋線維で構成される領域の2つの領域に区分されることが明らかとなった。以上平成11〜13年度の研究成果より、ラットの口蓋帆挙筋が筋繊維の免疫学的特性から2つの領域に区分されたことは、同筋が疑核内の局在の異なる2つの細胞集団によって運動支配されることと対応していると考えられ、また弧側核で収斂する感覚情報も相まって、口蓋帆挙筋が呼吸や嚥下などの多様な動作に対応して活動していると考えられた。
|