研究課題/領域番号 |
11470448
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤田 幸弘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (50192729)
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研究分担者 |
久野 昌隆 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80282763)
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014200)
河野 正司 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
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キーワード | 顎関節症 / 不正咬合 / 顎関節内応力 / 終日記録 / 携帯型装置 / 顎関節への外力 / predisposing factors / perpetuating factors |
研究概要 |
当該研究期間において、平成12年度に試作した外耳道からの顎関節内応力を検出・記録する携帯型計測システムの実用化を図った。平成12年度の検討課題であった、睡眠中の記録時にセンサーが脱離するという問題に対しては、センサーをサージカルテープで固定するとともに、頭部用ネットを着用させることで対応し、問題を解決することができた。このような工夫により、安定した記録が採れることが可能となった本計測システムを用いて、健常者と顎関節症患者からデータの収集を行い、顎関節内応力の定性的、定量的検討を行った。その結果、定性的分析結果として、顎関節内応力の出現パターンは持続的なもの、単発的なもの、群発的なものに分類された。単発的なもの、群発的なものは大きな応力値を示すものが多かった。また、これらの顎関節内応力は睡眠段階が浅化する際に認められた。しかし、症状とこれらの顎関節内応力の出現パターンとの間に関係は見出されなかった。 一方,定量的な分析結果として、顎関節症を伴う不正咬合者では、終夜記録において1時間あたり5分以上の顎関節内応力が記録され、健常者のそれに比べて有意に長かった。これらの差違は、顎関節症患者群と対照群のpredisposing factorsの差に起因し、顎関節への外力がperpetuating factorsとして作用していることを裏づけるものと考察された。 本研究結果が顎関節症を伴う不正咬合患者の症状の管理を行う上で有益な情報となることを切に期待する。
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