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1999 年度 実績報告書

ミュータンスレンサ球菌誘発う蝕におけるサングイスレンサ球菌の制御的役割

研究課題

研究課題/領域番号 11470451
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

祖父江 鎭雄  大阪大学, 歯学部, 教授 (60029973)

研究分担者 藤原 卓  大阪大学, 歯学部・付属病院, 講師 (00228975)
大嶋 隆  大阪大学, 歯学部, 助教授 (80116003)
キーワードS.oralis / グルコシウトランスフェラーゼ / S.mutans
研究概要

Streptococcus oralisは,口腔常在細菌叢を構成するサングイスレンサ球菌の一菌種で,出産直後の乳児口腔からも検出される.このS.oralisは,スクロースからグルカンを合成する酵素グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)を産生し,その働きによりデンタルプラークの形成に関与すると考えられている.本年度は,S.OralisのGTaseを分離精製し,その生化学的および免疫科学的性状を明らかにし,ミュータンスレンサ球菌に対する作用を調べた.
S.Oralis GTaseをその培養上清からカラムクロマトグラフィーにより分離し,SDS-PAGE上で分子量173kDaを示す単一のバンドにまで精製した.精製標品の生化学的性状は,等電点は6.3,至適Phは6.5,スクロースを基質としたときのKm値は2.49mMであった.このS.Oralis GTaseは,主に水溶性グルカンを合成するプライマー非依存性の酵素であり,そのグルカン合成活性は主に2価の金属イオンにより阻害を受けた.このGTase標品を家兎に免疫することにより得られた抗S.Oralis GTase抗体は,精製S.Oralis GTaseのグルカン合成活性を濃度依存的に阻害するとともに,同種のS.Oralisおよび同じくサングイスレンサ球菌に属するS.sanguis,S.gordoniiのGTase活性も有意に阻害した.
さらにS.Oralis GTaseの添加は,S.mutans静止菌体のガラス試験管壁への付着を明確に増強した.この結果はS.oralisの存在がS.mutansの口腔内への感染,定着に関与する可能性を示唆していた.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2013-11-25  

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