研究課題/領域番号 |
11470453
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鈴木 陽 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20037542)
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研究分担者 |
窪田 泰孝 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60205151)
中村 典史 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60217875)
竹之下 康治 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (50117157)
松田 政登 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90108754)
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キーワード | 口唇口蓋裂 / 腸骨移植 / 上顎歯列弓 / 口蓋形態 / 三次元解析 / 模型分析 |
研究概要 |
口唇口蓋裂児における骨移植前の歯列弓拡大治療の三次元的評価 [資料]15種類の歯列拡大装置にて治療された76名の口唇口蓋裂児の歯列弓拡大前後の歯列石膏模型 [方法]歯列拡大治療前後の歯列弓石膏模型をレーザー走査型三次元形状測定装置を用いて形態入力を行い、三次元解析プログラムにて歯槽口蓋組織の面積・体積ならびに歯列や歯軸の変化を調べた。 [結果]スケレトンタイプ歯列拡大装置により口蓋容積は最大の増加を示した。だが、投影面積で評価すると、Jointed fan-type expanderにより大きな歯列弓の扇状拡大を得ることができた。Quad helix装置では口蓋も歯軸も頬側傾斜を起こしていた。また、臼歯部の方が拡大され扇状拡大は得られていなかった。 口唇口蓋裂児における二次的骨移植よる歯槽口蓋組織形態変化の三次元的評価 [資料]本院において二次的腸骨海綿骨移植を受けた63名の口唇口蓋裂児の骨移植前後の石膏模型 [方法]骨移植前後の上顎石膏模型をレーザー走査型三次元形状測定装置を用いて形態入力し、三次元解析プログラムにて歯槽口蓋組織の表面積・断面積・体積の変化を調べた。 [結果]骨移植により歯槽口蓋表面積は全症例において減少した。これには手術時年齢・手術後の経過時間は関与していなかった。多くの症例は術後歯の移動を行った10歳前後であったので計測領域は減少しているにもかかわらず、歯槽部の断面積は増加し移植後3年でも維持されていた。たが、歯槽頂6mm部までの体積は増加していたが、根尖部(12mm)では体積は減少しているものもあった。 [結論]二次的骨移植の時期は、術後矯正的歯の移動を行う場合は本学で行っている犬歯萌出直前で問題がないと考えられる。しかし、症例により顎裂部に側切歯が存在する場合はもっと早期にべきであり、時期を失した症例ではHA混合移植等の方策も考慮すべきであると考える。
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