研究課題
本研究は、口腔領域における生体防御機構の解明を長期的な目標として、唾液中の抗菌因子、主に抗菌ペプチド(抗菌活性を有するペプチドの総称)の発現に関して研究する。申請期間内において、唾液中の新規抗菌蛋白質の探索、抗菌蛋白質の発現調節の解析などを行う。当該年度においては、昨年度に引き続き、唾液中に発現している分子の同定を核酸レベルで行った。材料としては、ヒトモデル系として有用なカニクイザル唾液腺mRNA、ヒト唾液腺由来mRNA、ヒト唾液腺由来細胞株を用いた。カニクイザル唾液腺は各唾液腺における分子の発現を比較するため、3種の大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)よりmRNAを調整し実験に供した。解析にあたってはヒトゲノムプロジェクトの成果を参考にした。mRNAからのcDNA合成、RT-PCR、DNA配列の決定などは常法に従っておこない、ディフェンシンファミリーの複数の分子種、ヒスタチンファミリーの分子種、LL37などを同定した。さらにタンパク質レベルでの同定・解析のため、ペプチドの合成、抗体の作製を行った。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)