研究概要 |
[1]キトサンナノパーティクル(nanoCP)の細胞内取り込みに検討 顕著な腫瘍成長抑制効果をもたらしたnanoCPの細胞内取り込みをL929繊維芽細胞培養系を用いて検討した. (1)nanoCPに保持されたGdの取り込みの培地中濃度依存性を調べたところ,取込み量はGd培地中濃度20ppmで飽和し,18μg/10^6cellsであった. (2)取込み量の径時変化について調べたところ,nanoCP添加直後に5μg/10^6cellsになり,4℃ではその後変化せず,3.7℃では3時間以降急激に増加した.これは37℃での取込みがエンドサイトーシスによることを示唆する. [2]nanoCP静注型製剤の開発 SCC VII Carcinoma担持マウスにnanoCPを静脈投与する実験系の確立を試みた.予備実験の結果,腫瘍蓄積性はなく,脾臓,肺への顕著な蓄積が見られた. [3]脂質エマルション(nanoLE)およびリポソームの投与によるレベレGd集積 (1)リポソームでは粒子径が100nm以下で高含量にGdを保持させることが困難であり,エマルションの方がより有効なキャリアーであることを確認した. (2)腹腔内投与と同様にD179melanoma担持ハムスターへのnanoLE静脈投与を行い,腹腔内投与と同等の腫瘍蓄積が達成できることを確認した. [4]新規機能性分子・粒子の探索 Gd担持に有効に利用されていないエマルションの大豆油部分を酸化ガドリニウム微粒子に置き換えるべく,微粒子調製法の検討を開始した.
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