研究課題/領域番号 |
11470480
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
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研究分担者 |
倉富 勇一郎 九州大学, 医学部・耳鼻科, 講師 (30225247)
宇谷 厚志 千葉大学, 付属病院・皮膚科, 講師 (10292707)
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
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キーワード | ラミニン / ペプチド / 組換えタンパク / 細胞接着 / インテグリン / シンデカン / ヘパリン / 神経突起伸長 |
研究概要 |
ラミニン-1に存在する50種類の細胞接着部位をもとに他のラミニンアイソフォーム上の相同部位に由来する部分ペプチドを用いて組織特異的な活性部分ペプチドを同定し、ラミニンの高次生命現象に及ぼす機能を明らかにすることを目的に検討を行った。ラミニンα5鎖、α4鎖、α3鎖のLG1〜LG5までの5つのドメインからなるGドメインの細胞接着及びヘパリン結合活性部位のスクリーニングを組換えタンパクを用いて行った。α5鎖、α4鎖、α3鎖いずれのスクリーニングにおいても4番目のドメインLG4に細胞接着及びヘパリン結合活性が認められた。次に、このLG4ドメインの活性部位を同定するために、LG4ドメインのシークエンスを全て網羅した70種類の合成ペプチドを用いて検討した。α5鎖A5G81(AGQWHRVSVRWG)、α4鎖A4G82(TLFLAHGRLVFM)、α3鎖A3G75(KNSFMALYLSKG)が細胞接着やヘパリン結合活性を示した。また、この3種類のペプチドがそれぞれのLG4組換えタンパクの細胞接着やヘパリン結合を阻害したことから、これらの部位がそれぞれの鎖でのGドメインの活性中心であることが示唆された。これらのレセプターとしてα3鎖A3G75がインテグリンに、α4鎖A4G82がシンデカンに作用することがわかった。さらに、PC12細胞を用いて神経突起伸張活性の測定を行ったところ、A3G75が神経突起伸長を促進することがわかった。現在、新たに同定された3種類のペプチドの血管内皮細胞への影響、唾液腺発生過程での活性ペプチドの器官発生に及ぼす効果を検討中である。一方、唾液腺発生に関係あるα5鎖Gドメインのペプチド113種類を用いて検討したところ、A5G77(LVLFLNHGHFVA)が唾液腺発生を阻害することがわかった。現在、A5G77のレセプター及び作用メカニズムを検討中である。
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