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2000 年度 実績報告書

バイオモジュレーターとしてのポリアミン-その機能と制御システム

研究課題

研究課題/領域番号 11470482
研究機関千葉大学

研究代表者

五十嵐 一衛  千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)

研究分担者 西村 和洋  千葉大学, 薬学部, 教務職員 (60302569)
柏木 敬子  千葉大学, 薬学部, 助手 (80169424)
柿沼 喜己  千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
キーワードポリアミン / スペルミジン / スペルミン / σ^<28> / アデニレートシクラーゼ / ポリアミン輸送蛋白質 / 液胞膜
研究概要

1.ポリアミン(プトレスシン、スペルミジン、スペルミン)が細胞増殖を促進する際、RNAポリメラーゼ(α2ββ′)のプロモーター認識がポリアミンによりどのように変化するかを、7種のσ因子量を測定することにより検討した。その結果、σ^<28>因子の量がポリアミンにより4倍増加することが明らかになった。ポリアミンの効果は翻訳レベルであることが明らかとなっているが、σ^<28>因子の場合は蛋白質レベルだけでなくmRNAレベルでも増加していた。従って、σ^<28>因子の合成量をコントロールしている諸因子の合成量を測定したところ、アデニレートシクラーゼの合成がポリアミンにより翻訳レベルで上昇していることが明らかとなった。蛋白質合成速度はShine-Dalgarno(SD)配列と開始コドンに依存しているが、アデニレートシクラーゼの開始コドンは通常のAUGではなくUUGであった。ポリアミンはこの効率の悪いUUG依存のfMet-tRNAのリボソームへの結合を促進することが明らかとなった。
2.大腸菌ではポリアミン輸送蛋白質の遺伝子群がクローニングされ、ポリアミン輸送蛋白質の性質が明らかになりつつある。しかし、真核細胞ではポリアミン輸送蛋白質遺伝子が未だ同定されていないので、酵母を用いてポリアミン輸送蛋白質遺伝子の同定を試みた。その結果、酵母の液胞膜上に存在する4種のポリアミン輸送蛋白質をコードする遺伝子の同定に成功した(TPO1〜4)。そのうち、TPO1とTPO4は3種のポリアミンを輸送することができ、TPO2とTPO3はスペルミンのみを輸送した。4種の蛋白質はいずれも12膜貫通領域を有していた。
3.大腸菌のPotEはプトレスシンを取り込むだけでなく、排出することもできる。この排出はオルニチン/プトレスシンアンチポーター活性により触媒される。この両活性の活性中心をsite-directed mutagenesisにより解析し、プトレスシン認識部位のモデルを提唱した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Igarashi,K., and Kashiwagi,K.: "Polyamines : Mysterious modulators of cellular functions. (Review)"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 271. 559-564 (2000)

  • [文献書誌] Sakata,K. et al.: "Properties of a polyamine transporter regulated by antizyme."Biochem.J.. 347. 297-303 (2000)

  • [文献書誌] Hayashi,S. et al.: "Increase in Cap- and IRES-dependent protein synthesis by overproduction of translation initiation factor eIF4G. "Biochem.Biophys.Res.Commun.. 277. 117-123 (2000)

  • [文献書誌] Kashiwagi,K. et al.: "Identification of the putrescine recognition site on polyamine transport protein PotE."J.Biol.Chem.. 275. 36007-36012 (2000)

  • [文献書誌] Tomitori,H. et al.: "Multiple polyamine transport systems on the vacuolar membrane in yeast."Biochem.J.. 353. 681-688 (2001)

  • [文献書誌] Yoshida,M. et al.: "Polyamine enhancement of the synthesis of adenylate cyclase at the translational level and the consequential stimulation of the synthesis of the RNA polymerase σ^<28> subunit."J.Biol.Chem.. 276(in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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