研究課題/領域番号 |
11470483
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大熊 勝治 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10119563)
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研究分担者 |
染井 正徳 金沢大学, 薬学部, 教授 (20110546)
横山 謙 金沢大学, 薬学部, 助手 (70271377)
荒井 國三 金沢大学, 薬学部, 講師 (50126562)
太田 哲生 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (09671290)
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キーワード | バフィロマイシン / プロジギオシン / プロトンポンプ / アポトーシス / オートファジー / PC12 / HeLa細胞 / CHO細胞 |
研究概要 |
本研究ば、新規H^+/Cl^-シンポーターであるプロジギオシン類のアポトーシス誘導機構解明に当たり、これまで殆ど注目されてこなかったオートファジーの役割を、体細胞遺伝学的・分子生物学的に明らかにしようとするものである。これまでに、3-メチルアデニン(オートファジー阻害剤)は血清非存在下では細胞死を促進したが、血清存在下では促進しなかった。このことより、アポトーシス誘導に対するオートファジー阻害の役割は低いものと思われる。 1.GFPタンパク質遺伝子を、細胞質やオルガネラ(ミトコンドリアやペルオキシソーム)に導入したCHO細胞を作成した。 2.CHO細胞のペルオキシソームをベザフィプレートにより誘導することに成功した。更にその分解が、3-メチルアデニン等によって阻害されることを、ペルオキシソーム移行シグナルPTS1-GFPのトレンスフェクタントを作成して明らかにした。 3.オートファジー関連遺伝子のヒトホモローグをHeLa細胞等より単離し、そのドミナント・ネガティブ体を作成することに成功したので、現在そのCHOトランスフェクタントを作成し、動物細胞オートファジーにおけるその機能を、フローサイトメトリーやGFP導入CHO細胞等を用いて飢餓条件で検討している。 4.オートファジーに伴って発現量の変動する遺伝子・蛋白質を、ディファレンシャイルサブトラクション法とMultipohoreII二次元電気泳動とで更に探索中である。 5.バフィロマイシン類であるコンカナマイシンAの光アフィニティープローブの作成に成功した。その活性を調べたところ、プロトンポンプ阻害活性はやや落ちるものの、遊離のコンカナマイシンAによらないこと、アポトーシスやNOGを誘導することを明らかにすることが出来た。現在、不透過性坦体がアポトーシスやNOGを引き起すが、検討中である。 6.バフィロマイシン類によるアポトーシス誘導の情報伝達経路は、プロジギオシン類のそれと同様、神経細胞様突起進展(NOG)誘導のそれと異なっていることが判明した。 7.プロジギオシン以外のH^+/Cl^-シンポーターがアポトーシス誘導活性持たないをことより、H^+/Cl^-シンポート活性が細胞増殖の引き金になっていることは考えにくい。しかし、H^+/Cl^-シンポーター活性を有する新規化合物は見出されていない。
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