研究課題/領域番号 |
11470488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
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研究分担者 |
大場 基 昭和大学, 薬学部, 助手 (70297018)
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 助手 (60054045)
江川 清 昭和大学, 薬学部, 講師 (00095879)
西谷 直之 昭和大学, 薬学部, 助手 (10286867)
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キーワード | Hic-5 / 過酸化水素 / 核移行 / c-foc |
研究概要 |
過酸化水素で誘導されるhic-5 遺伝子産物(Hic-5)は、細胞接着斑蛋白質をコードし、接着斑で多くのシグナル分子と複合体を形成している。この遺伝子の発現は中胚葉性の細胞で高く、悪性細胞や不死化細胞では低下する。今年度は、Hic-5 の生物的機能を明らかにする目的で、この蛋白質の細胞内局在の変化と標的遺伝子の探索を行った。 Hic-5 は正常繊維芽細胞では細胞接着斑に存在するが、酸化ストレスを与えると核へ移行した。この細胞内局在変化は可逆的で、酸化ストレスの除去によりHic-5 は核から接着斑に戻る。直接の酸化ストレスではなく、サイトカラシンDやホルボールエステル処理によってもHic-5の核移行がみられたが、この移行は活性酸素消去剤により阻害されたので、刺激により細胞から発生される活性酸素が核移行のシグナルとなっていると考えられる。 核移行シグナルペプチド(NLS)を付加したHic-5 は細胞に発現させると無刺激でも核に集積する。このような発現べクターを各種のレポーターと共にマウス繊維芽細砲に導入してレポーター活性を見たところ、c-fos,p21遺伝子工ンハンサーが活性化されることが明らかとなった。Hic-5を強制発現した細胞ではc-fos,p21 mRNA レベルは顕著に上昇しており、これらの遺伝子はHic-5により発現上昇すると考えられる。
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