研究課題/領域番号 |
11470495
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70034030)
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研究分担者 |
増田 智先 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90303825)
桂 敏也 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10283615)
齋藤 秀之 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40225727)
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キーワード | 有機アニオントランスポータ / 有機カチオントランスポータ / ペプチドトランスポータ / CaCo^2細胞 / 性差 / H^+ / 3級アミン交換輸送系 / テトラエチルアンモニウム / P-糖タンパク質 |
研究概要 |
我々が従来より解析を進めてきた有機カチオントランスポータ(OCT1、OCT2)、有機アニオントランスポータ(OAT1、OAT-K1、OAT-K2)並びに一次性薬物輸送ポンプ(Pgp)を中心として特異抗体の作成に基づく免疫化学的解析並びに新規トランスポータの同定を実施し、以下の研究成果を得た。 1.薬物トランスポータに対する特異抗体の作成と免疫化学的解析:腎局在性有機カチオントランスポータOCT2に対する特異抗体を作成し、OCT2の腎内分布について相同体OCT1との比較検討を行った結果、OCT1は近位曲尿細管側底膜に局在すること、一方OCT2は近位直尿細管側底膜に局在することが判明した。さらに、ラット腎粗膜画分におけるOCT2蛋白は、雌と比較して雄により強く発現すること、OCT2蛋白の発現は雄性ホルモンテストステロンにより誘導されることが明らかとなった。 2.Caco2細胞における新規薬物トランスポータの同定:ヒト大腸癌由来培養上皮Caco2細胞を用いて新規薬物トランスポータの探索を行った結果、Caco2細胞の頂側膜にはジフェンヒドラミンなどの3級アミンを特異的に認識するH^+/3級アミン交換輸送系が発現しており、小腸を介した生体解毒機構の一部を担っていることが示唆された。さらに、Caco2細胞の側底膜には、βラクタム系抗生物質などのペプチド類似薬物を認識する促進拡散型ペプチドトランスポータが発現しており、頂側膜型ペプチドトランスポータPEPT1と連関して効率的なペプチド様薬物の腸管吸収に寄与することが示唆された。現在、これらトランスポータのcDNAクローニングの準備段階にある。
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