研究課題/領域番号 |
11470504
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
濱口 秀夫 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00091918)
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研究分担者 |
大塚 藤男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10092157)
小林 公子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90215319)
有波 忠雄 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (10212648)
柴崎 正修 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (30049233)
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キーワード | 喘息 / アトピー性皮膚炎 / マイクロサテライトマーカー / TDT |
研究概要 |
アトピー性喘息およびアトピー性皮膚炎は多因子性の疾患であり、その発症には遺伝素因が深く関わっている。本研究の目的は、これらのアトピー性疾患の感受性遺伝子を同定することである。まず、小児のアトピー性喘息患者を発端者とする47家系197名(罹患同胞65対を含む)を対象として、全染色体上に平均10cM間隔で存在する387個の遺伝マーカーと気管支喘息との連鎖を罹患同胞対法により解析した。その結果、4q35、5q31-q33、l3q11-12領域において連鎖の可能性が示唆された。そこで、新たにアトピー性喘息患者を発端者する92家系284名の試料を収集し2ndパネルとした。これらの家系試料を用いて、4q35領域においては32個、5q31-q33領域においては48個、13q11-12領域においては10個のマイクロサテライトマーカーについてTDT(transmission disequilibrium test)を行った。その結果、4q35領域ではD4S1627、5q31-q33領域ではD5S2077、13q11-12領域ではD13S1275と喘息との間に強い連鎖不平衡が観察された。これらのマイクロサテライトマーカー近傍に存在するIRF-2(Interferon regulatory factor-2)、IRF-1(Interferon regulatory factor-1)、ADRB2(β2-adrenergic receptor)、CD14、IL12B(Interleukin12B)をアトピー性疾患の候補遺伝子として、これらの遺伝子のエクソンとプロモーター領域に存在する多型(SNPs)とアトピー性喘息およびアトピー性皮膚炎との関連を分析したが、疾患の発症に強い影響を及ぼす多型は検出できなかった。現在は、最近公表された全ゲノムのドラフト配列をもとに、上記マイクロサテライトマーカー周辺のESTをターゲットとして、多型の検索および疾患との関連解析をおこなっている。
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