研究概要 |
1.differential display(DD)法を用い、慢性関節リウマチ(RA)滑膜に優先的に発現される遺伝子として、inhibitor of differentiation,meningioma expressed antigen,follistatin-related proteinなどを固定した。また、同様の方法を用い、クローン病腸管病変部に優先的に発現する遺伝子として、FLICE inhibitory protein,type 6 protein phosphatase induced by IL-2などが固定された。これらの大部分はそれぞれの組織において過去に発現の報告のない遺伝子であり、新たな知見と考えられた。 2.tumor necrosis factor α(TNFα)上流領域に最近見出された3個所の単一塩基置換(SNPs)にいて、アリルレベルの遺伝子タイピング法を確立し、日本人集団における各アリル頻度とHLA遺伝子との連鎖不平衡を報告した。また、日本人RA患者545名のHLA-DRB1,TNFα,TNF受容体II型の遺伝子型を決定し、これらのうちではHLA-DRB1遺伝子が疾患感受性に一義的な寄与を有することを報告した。クローン病患者154名についても同様の検討を行い、HLA-DRB1,TNFαの独立の寄与を見出した。 3.ケモカイン受容体CXCR1.CXCR2,CXCR3に新たなSNPsを見出したが、リウマチ性疾患との関連は検出されなかった。
|