研究課題/領域番号 |
11470512
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
|
研究分担者 |
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30240849)
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
|
キーワード | アストロサイト / ミクログリア / アポトーシス / 過酸化水素 / cyclic GMP / ホスホジエステラーゼ / イブジラスト / ミトコンドリア |
研究概要 |
神経細胞の生存・維持におけるグリア細胞の重要性から、神経細胞死の保護をグリア細胞の機能制御の面から考えることが可能である。本研究では、アストロサイト、ミクログリアの細胞死発現の細胞特異的分子メカニズムについて検討し以下の成績を得た。 [1]培養ミクログリアにおいて血清除去によりアポトーシスが起こることを見出した。この細胞死のシグナルとしてp38MAPKが重要な役割を演じていること、そしてBAXの発現が関わっていることが明らかとなった。 [2]培養アストロサイトでのCa^<2+>パラドックスあるいは過酸化水素暴露によるアポトーシスが脳循環・代謝改善薬であるイブジラストにより抑制されることを見出した。さらに、イブジラストのアストロサイトでの抗アポトーシス作用がcyclic GMPホスホジエステラーゼ阻害によるcyclic GMP量の増加とそれに引き続くG-キナーゼ活性化によることを示した。 [3]培養アストロサイトでの過酸化水素暴露によるアポトーシスに対する一酸化窒素(NO)の作用を解析し、NOが低濃度では細胞保護作用また高濃度では細胞障害作用を示すことを示した。この細胞保護作用には、cyclic GMP/G-キナーゼが関与していた。 [4]Cyc1ic GMPシグナルの保護作用のメカニズムについてラット脳より精製したミトコンドリアを用いて検討し、cyclic GMPがG-キナーゼ依存的にミトコンドリアのmembrane transition poreの開口を抑制することを明らかにした。
|