研究課題/領域番号 |
11470520
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 泰子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30107669)
|
研究分担者 |
佐々木 美奈子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00302670)
遠藤 美代子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10292723)
奥野 茂代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (90295543)
井上 都之 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (00281254)
|
キーワード | 老人ホーム / MRSA / 看護職 / 環境細菌 / 空気中浮遊菌 / インフェクションコントロール / 感染対策 |
研究概要 |
我々は、過去5年間に渡り、長野県南部に位置するA老人ホームにおいて、看護職によるMRSA感染防止対策を行ってきた。看護職が行うMRSA対策は、病院において医師や検査技師が主体となって行うMRSA対策とは異なった、看護職しかできない、看護職独自の視点を持った方法を用いる必要がある。それは、入居老人の安全と安楽を追求した方法となる。つまり老人のQOLを最も重視したMRSA対策である。 本年度は、A老人ホームでのMRSA対策実施によって得た方法論を用いて、やはり長野県南部に位置する新しいB老人ホーム(一年前開業)においてMRSAの環境調査を行った。サンプリング場所は、基本的にはA老人ホームと同様である。各老人居室70室(全部個室)、共同使用の部屋、廊下と廊下の交差個所のそれぞれ床サンプル、職員43名と居室老人70名のそれぞれ利き手の手掌サンプルを、表面積10cm2のコンタクトプレート(標準寒天培地、卵黄加マンニット食塩培地)で採取した。また、本測定から空気中浮遊菌の採取を加えた。測定場所は、デイサービス日常作業訓練室、トーキングルーム、脱衣所、食堂、トイレ、居室などであり、RCS型エアサンプラーで測定を行った。 結果は、全ての測定においてMRSAの検出はなかった。開設後間もない施設であるので、A老人ホームのような長年の汚れの蓄積は見られなかったので、今後の汚れの変遷について経時的な追跡調査を行う予定である。 また、本年度はオーストラリアのアデレード大学臨床看護部のインフェクションコントロール部および老人ホーム専門のインフェクションコントロールプロフェッショナルとの老人ホームにおける感染防止対策に関する意見交換、および今後の共同研究などを含めた研究打ち合わせを予定している。
|