研究課題/領域番号 |
11470522
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研究機関 | 高知女子大学 |
研究代表者 |
長戸 和子 高知女子大学, 看護学部, 講師 (30210107)
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研究分担者 |
川上 理子 高知女子大学, 看護学部, 助手 (60305810)
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
野嶋 佐由美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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キーワード | 家族看護 / 合意形成 / 看護介入 |
研究概要 |
本研究は、退院や在宅ケアに関して看護者が家族と合意を形成する有効な看護方法を明らかにし、家族-看護者の合意形成に向けての効果的な看護介入モデルならびに看護介入指針を作成、実際に活用し検証することを目標としている。本年度は、難病患者、精神分裂病患者、痴呆老人、寝たきり老人を抱える家族への看護を実践している臨床看護者との面接を行い、昨年度の研究で得られた合意形成のための技術の臨床における現実性や妥当性、必要性について意見を求めた。また、臨床看護者が実際に退院や在宅ケアに関して家族と合意に至るために用いている技術と、その過程のパターンを抽出した。 本年度の結果:臨床看護者は、患者を含めた家族と退院や在宅ケアに関して合意することの必要性を感じていることがわかった。そして、『共感的に理解』し『感情表出を促し』ながら、常に家族員を『脅かさない』ように『中立の立場を保ち』つつ、『専門的知識を提供する』『具体的な選択肢を提示する』ことによって、合意へと導いていた。また、施設内に勤務する看護者は、複数の家族員と、個別の面接や日常的なかかわりを重ねながら合意形成への準備を整え、タイミングを計って合意へと結び付けているのに対して、訪問看護ステーションや地域保健婦など施設外で家族ケアを実践している看護者は、毎回の訪問や面談の中で家族のニードや自分と家族との関係性を把握しながら、合意を導くポイント・壊すポイントをつかみ、長期的な見通しを持って小さな合意を重ね、その中で家族自身の力を高めていこうとしていた。 来年度の課題:初年度と本年度で明らかになった合意形成に至る過程のパターン、臨床看護者が用いている技術を抽象化し、看護介入モデル、看護介入指針を作成し、フォーカスグループ法によって洗練化し実用可能なものとすることを目標とする。
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