研究課題/領域番号 |
11470526
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 埼玉県立大学 (2001) 埼玉県立大学短期大学部 (1999-2000) |
研究代表者 |
山下 美根子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60301850)
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研究分担者 |
天谷 真奈美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00279621)
佐々木 明子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (20167430)
宮地 文子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60122975)
浅川 典子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00310251)
大塚 麻揚 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (60336493)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 痴呆症 / アルツハイマー病 / 高齢者 / 訪問看護 / 介護 / 在宅ケア / Japanese older people / Japanese caregivers |
研究概要 |
本研究は痴呆性老人における残存能力測定尺度の開発(Abilities Assessment Instrument以下略してAAIと呼ぶ)を試みたものである。AAIはカナダの看護研究者によって1993年に開発されたもので、痴呆性高齢者のセルフ・ケア能力、社交性、対人関係それに認知の4つの分野を診る。本研究代表者は1998年にAAI開発者の一人であるトロント大学看護学部の現教授Donna Wells氏に出会いAAIの日本語版の開発をする許可を得た。まずAAIの原版を和訳し、和訳したものを5名のエキスパートによってそれぞれ英訳し、その結果を原版と比較した。このback translationの結果妥当性の一つであるthe content validity indexは0.99であった。従って妥当性は一応確立されたということで現場検証を行うことにした。痴呆性老人を対象とする前に健常高齢者を対象としたプリ・テストを行った。10名の健常高齢者が参加し、AAI日本語版が測られた。予測したように健常者全員が満点を取得した。また参加者からAAI和訳の内容についてのコメントを受けさらなる修正版を作成した。次に痴呆性高齢者を対象とした検証は県内2ヶ所と県外1箇所の老人施設で行った。痴呆性高齢者で歩行ができ脳疾患をわずらっていないことが本調査の参加条件であった。本調査結果から分かったことは軽度から中度の痴呆性高齢者は、社交性およびセルフ・ケア能力の分野における残存能力が認知能力と対人関係能力より一貫して高かったということである。このことは痴呆症においてはセルフ・ケアと社交性能力は他の2つの分野より比較的影響を受けないという原著の著者らの仮説が実証された。この点についてはさらなる現場検証を継続することによってAAI日本語版の妥当性と信頼性が打ち出されることと思われる。
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