研究概要 |
本年度の研究実施計画に基づき,以下の調査を実施した。 1)全国国立大学附置研究所の設立経緯,目的,組織,予算規模,研究活動の柱などについて資料収集を行い,データベースを作成した。 2)北海道大学,東京大学,東京工業大学,静岡大学,名古屋大学,京都大学,大阪大学,神戸大学,岡山大学,九州大学については直接出張し,所蔵されている歴史資料の収集,関係者からのヒアリング等を実施した。 3)東北大学における附置研究所については,各所長及び名誉教授らにヒアリングを実施した。 4)わが国の科学技術政策の歴史経緯と比較検討するために,特に戦後の科学技術政策史,科学技術制度史関連の資料を収集した。 5)全国の附置研究所63カ所に,資料提供を依頼した結果,半数以上の研究所から資料の寄贈が得られた。その中には東京大学医科学研究所100年史や北海道大学低温科学研究所50年史などの研究所史が含まれる。 附置研究所の本格的な展開は戦後のことではあるが,1939〜44年に24研究所が設立され附置研究所の位置が確立し,ついで1945〜49年に8研究所,1950年〜59年に13研究所,1960〜69年に12研究所,1970〜79年に4研究所が設置された。1980年代以降は研究所の改組・再編成が行われた。1939年以前を第1期とすると,展開過程は7期に分けられる。この時代区分に従い,附置研究所の全体像を明らかにする手がかりを得た。
|