研究課題/領域番号 |
11480005
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
徳山 薫平 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (00207565)
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研究分担者 |
長坂 昌一郎 自治医科大学, 講師 (00296112)
清永 明 福岡大学, 体育学部, 教授 (70177955)
田中 宏暁 福岡大学, 体育学部, 教授 (00078544)
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キーワード | 糖負荷試験 / ミニマルモデル / 運動トレーニング / インスリン感受性 / グルコース感受性 / 同位体標識糖 |
研究概要 |
持久運動トレーニングが糖代を改善する機序を安定同意元素標識糖を用いた経静脈糖負荷試験の2-compartment minimal model解析により検討した。男性健常人に対する8名(15-25才)に乳酸閾値の強度の自転車エルゴメータ運動を60分間、週5日、6週間にわたって行なわせた。糖負荷試験はトレーニング前および最後のトレーニング終了16時間後及び1週間後に行った。6週間のトレーニングにより最大酸素摂取量は34%増大し、糖負荷試験により測定したインスリン感受性(トレーニング前:13.9±2.2、終了16時間後:18.3±2.4、終了1週間後:18.6±2.2x10^<-5> min^<-1>pM^<-1>)とグルコース感受性(トレーニング前:0.018±0.002、終了16時間後:0.024±0.001、終了1週間後:0.023±0.002min^<-1>)は有意に増大した。この結果は、健常人においては、軽い運動であってもそれを持続することで糖代謝調節の主要な因子であるインスリン感受性とグルコース感受性を高めることが可能である事を示している。先の我々の研究(Diabetes 48:1054-1060,1999)において、糖尿病患者ではグルコース感受性とインスリン感受性の低下がインスリン分泌不全と重なって耐糖能低下の原因であることを示している。従って、今回、健常人において認められたトレーニングの効果、つまりグルコース感受性とインスリン感受性の改善が糖尿病患者やその予備群である耐糖能低下症の人々においても認められるか否かが次の研究課題となると考えられる。
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