研究課題
基盤研究(B)
1.長野オリンピックの際に長野市の小・中学校等で実施された「1校1国運動」についての子どもたちのアンケート調査の結果を、異文化理解の観点から分析した。その結果、「1校1国運動」を実践した小学校の子どもたちのうち、異文化理解を実感した子どもたちは、平和への貢献や人類の連帯感などに通じるオリンピックの理念を、よく理解していた事が明らかになった。さらにそれを異文化理解の理論と照らし合わせたところ、長野市で実施された「1校1国運動」は、理想的な異文化理解のプロセスを示していたことが示唆された。一方、オリンピック競技会自体の歴史的な事柄やオリンピック理念についての知識は、より充実させる必要があることがうかがえた。2.上記の事柄を、1999年9月に行われたシドニーで開催された国際会議で発表し、オリンピックを教育学的見地から研究している多くの研究者と交流ができ、オリンピック教育に関する人的ネットワークが拡大した。3.各国のオリンピック教育の資料を収集することができた。アメリカ、カナダ、ニュージーランドやオーストラリア、ドイツなどの国で実践されているオリンピック教育のプログラムを入手することができた。その内容を、オリンピックの理念や歴史、ドーピング、異文化理解、女性の参加などの項目に分類して、今後、吟味していく予定である。4.さらに今後の計画としては、長野市の小学校を対象にして、オリンピック後に「1校1国運動」がどのように展開されているのかを調べ、それと各国のオリンピック教育の内容を吟味して、わが国におけるオリンピック教育の内容をプログラム化していく予定である。
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