研究分担者 |
野間 晴雄 奈良女子大学, 文学部, 教授 (00131607)
出田 和久 奈良女子大学, 文学部, 教授 (40128335)
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60032322)
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827)
小方 登 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30160740)
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研究概要 |
相馬は,中国西北部,トルファン盆地に分布するカレーズを取り上げ,1964年6月撮影のCORONA衛星写真から個々の縦穴を識別し,各カレーズの長さ・平均傾斜・乎面パターンなどを分類し,併せて立地する地形条件との関係などを検討した.さらに,耕地分布を1992年6月撮影のLNDASAT TM画像と比較し,近年における水利用状況・水利用環境の変化との関連についても検討した.その結果,傾斜に斜交して上流側へ長く延ばされたカレーズが存在し,それが地下水位の低下に対応するものであること,天山山脈南麓に位置する火焔山北側の扇状地には,上流側を奪取されたカレーズ,ワジから派生したカレーズ,ワジと交差するカレーズが分布し,いずれも河川灌漑用に河道が扇頂部で固定されたことに関係すること,などを明らかにした.これらの成果の一部は,「CORONA衛星写真からみたカレーズの分類とその意義-トルファン盆地を例として」の題名で,1999年11月の人文地理学会で発表(研究分担者等との連名)した. 戸祭は,幕末に建設された函館奉行所に関連する五稜郭とそれを取り囲む方形土塁の形状の変遷について,空中写真や地図資料も含めた多様な資料の収集を行った. 小方はシルクロード沿いの特に中近東〜西アジアを中心に,CORONA衛星写真から都市遺跡を判読し,その立地環境について検討した.その成果の一部は,「衛星写真でみるシリアの都市遺跡」と題して1999年11月の人文地理学会で,「衛星写真でみる三蔵法師の道」と題して2000年2月の人文地理学会233回例会で発表した. 高田は,ブータンヒマラヤの山岳地域を対象に1960年代のCORONA衛星写真を購入し,1980〜1990年代に撮影されたSPOT衛星画像との比較を行った.その結果,このような比較によって,一部の氷河や氷河湖に関して20〜30年間の変化を捉えうるとの見通しを得た. その他にも,研究分担者各自が担当する地域の衛星画像・衛星写真のリストアップ・購入を進め,次年度以降の解析のための十分な資料収集を行うことができた.
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