研究分担者 |
和知 孝雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (30073886)
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (70137181)
岡田 明 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (30158810)
濱 裕光 大阪市立大学, 工学部, 教授 (20047377)
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研究概要 |
ヒトは加齢とともに視聴覚,行動能力はじめ各種生体機能が低下し,誰でも障害者としての生活を余儀なくされる。人口の4分の1が高齢者になる高齢化社会の到来は目前にせまっており,高齢者自身が自立して生活できるための環境整備とモノの開発が重要課題と考える。本年度は,高齢者の視覚,心理,生理特性を明らかにし,生活の動作や行動を3次元的動作解析するなどの基礎的研究を行った。 高齢者への効果的な情報伝達を目的として、短期記憶における色と形の影響(基本的6色×6形)について検討した。健常高齢者群(平均61.6歳)の短期記憶の正解率は、若者群(平均21.9歳)のそれと比較すると大きな差異が認められるが、記憶しやすいように補助を与えてあげると正解率は大きく向上した。高齢者にとって記憶しやすい色と形の組み合わせがあり(赤、黒と丸、三角など)、高齢者への標識などに工夫が必要であることが明かになった。また、短期記憶タスク時の脳波を計測し、短期記憶成績への影響について検討した。 高齢者にとって必要な動作環境を予測するため、単眼動画像からの3次元物体の復元に関する研究、ならびに単眼ステレオ視による立体形状計測のためのカメラモーションの推定研究を行った。 高齢者にとって快適で安全な照明環境を構築するため、薄暮時での自動車前点灯状況の実態調査、ならびに夜間などの高齢者の見え方に関する基礎研究を行った。 運動機能の低下する高齢者にとって、生活上必要な動作においても生理的負担が大きい場合がある。使いやすい冷蔵庫の設計を目的として人間工学的検討を行った。また、上肢の押引動作を対象とした屈伸運動時の生理的負担を測定した。 関節可動域に障害を持つ高齢者が増えている。日常動作時の障害状況を把握するため、入浴動作を症例事例として3次元動作解析し、問題解決のためのコンピュータシミュレーションを行い障害に応じた補助具設計のための基礎研究を行った。
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