研究課題/領域番号 |
11480024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
的場 輝佳 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (10027196)
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研究分担者 |
寺尾 純二 徳島大学, 医学部, 教授 (60093275)
高村 仁知 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70202158)
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キーワード | 活性酸素 / フリーラジカル / ラジカル捕捉能 / 野菜 / アスコルビン酸 / 抗酸化成分 / 加熱調理 / 生活習慣病 |
研究概要 |
活性酸素消去能・ラジカル捕捉活性を生かした食事献立の設計を行うための基礎情報を得るために、種々の食素材の調理・加工・保蔵過程におけるラジカル捕捉活性の変化を、申請者が開発したDPPH-HPLC法を用いて系統的に解析した。まず、生鮮野菜のラジカル捕捉活性とその加熱調理(ゆで加熱、電子レンジ加熱)による影響を調べた。野菜類のラジカル捕捉活性に寄与する成分として、アスコルビン酸含量の測定を併せて行った。その結果、ホウレンソウのラジカル捕捉活性が最も高く、ゴボウ、ブロッコリー、ピーマン、アスパラガスにも比較的高い活性があるが、ニンジンの活性は最も低いことを見いだした。また、野菜に含まれるアスコルビン酸のラジカル捕捉活性に対する寄与率は2%(ゴボウ)〜87%(ブロッコリー)で、野菜の種類によりかなりの相違があることを明らかにした。次に、野菜をゆで加熱した場合、アスコルビン酸含量が減少したにも拘わらず、ラジカル捕捉活性が増加するものがあることを見いだした。また、ゆで汁への活性成分の溶出割合についても解析した。さらに、電子レンジで加熱した場合の活性の変化について解析を行った。その結果、電子レンジ加熱の場合の方がゆで加熱に比べて、野菜の有効成分を保持する上で有効な加熱調理法であることを明らかにした。野菜類以外にも、種々の市販飲料(110種類)のラジカル捕捉活性と長期保蔵過程における活性の変化を解析した。さらに、魚類(36種類)のラジカル捕捉活性についても解析した。その結果、ある種の魚では、保蔵中に尿酸が生成し、それが活性の増加に寄与することも明らかにした。
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