研究課題/領域番号 |
11480036
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育工学
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
村野井 均 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (10182130)
|
研究分担者 |
宮川 祐一 仁愛女子短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (20219736)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2002
|
キーワード | メディア・リテラシー / 多メディア・多チャンネル / ザッピング / テレビ理解 / パブリック・アクセス / 個別視聴 / 青少年の時間帯 / 学校と放送局の協力 |
研究概要 |
この研究をしている間にメディアリテラシーという言葉が日常用語になり、多くの著書が出版されるようになった。国語の教科書には「ニュース番組を作ろう」という単元が入った。テレビを見たり作ったりする力を学校でつけようという動きが広まったといえる。暴力や性描写に対する放送局の自主規制も始まり、番組内容を青少年に配慮する「青少年の時間帯」が設けられた。 テレビを見る力は自然に身につくものではなく、家庭や学校といった社会の中で教えられていることがわかってきたためといえる。多メディア・多チャンネルの進行は個別視聴化を促進する。社会は今のうちに対策を立てておかなければならない。 <視聴実態の解明>今回の研究の中で、若者のザッピングといわれるテレビ視聴の実態を明らかにした。若者は1時間に16回以上チャンネルを替えてテレビを見ていた。 <放送局の対策の功果について>メディアリテラシー教材や番組が開発された。メディアリテラシー教育番組には、NHKのものも民間放送連盟のものも教育効果があることを児童を対象にした実験によって示した。 また、「青少年の時間帯」の番組は、性描写や暴力が少ないこと、さらに夜9時以後も暴力描写が減少していることを示した。 <学校や家庭と放送局が協力して視聴能力を高める試み>NHK福井放送局と協力して児童・生徒の作品を放送する試みを実施し、4年間継続している。また、PTAが学校を撮影してケーブルテレビで放送する試みを紹介した。 学会においてシンポジウムやワークショップを開催し、研究者が「テレビと子ども」やメディアリアリテラシーへ関心を高める役割を果たしてきた。 以上の成果は、著書3冊にまとめられている。学校の教師や放送局と協力して作った著作である。特に「子どもの発達とテレビ」(村野井均著、かもがわ出版)は、2002年度の日本図書館協会選定図書、全国学校図書館協議会選定図書に選ばれた。 今後はメディアリテラシーを具体化し、カリキュラム開発や教材開発、実験授業とその効果測定をする必要がある。
|