研究概要 |
1.学習実験:学習者の学習動機を高めるための環境として、教師との接触をはかるための「学習レポート」提出、共同学習による動機付けをねらった「読後座談会」参加を義務付けて、『新書ライブラリー』の学習実験を行った。事前事後テストの結果、単語力、ディクテーションテスト結果について学習効果を検証した(単語F(1.7)=11.12, p<.05、ディクテーションF(1,13)=11.86,p<.01))。学習履歴およびインタビュー結果の分析から、「学習レポート」「座談会」を組み込まない場合に比べ、学習時間の増加、課題図書内容に対する関心の深まりが明らかになった。「学習レポート」「座談会」の果たした役割を、ARCS動機付けモデルの観点から考察し、「学習レポート」を通した教師とのコミュニケーションが自信や満足につながったのではないか、また読書内容の理解と「自分の意見を述べる」という行動が結びつけられたことが関心を高めたのではないかと分析した。 2.研究成果の発表:読解過程分析(再生文の分析による主題の明示性と理解の関係の研究)、「新書ライブラリー」を授業で用いた研究授業(立命館大学で実施)の成果について、上記の学習実験の成果とともに研究発表を行った。 3.座談会プロジェクトの実施:上記の成果をふまえ、キャンパスにおける「自律的な読解学習」を実現させる方策の一つとして、「座談会プロジェクト」を発足した。英語教育を受講する日本人学生と上級以上の留学生によるグループで、読書と意見交換を行うものである。平成14年度に3回行い、現在実現可能なスケジュールや学内ランによる情報交換を検討中である。
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