研究課題/領域番号 |
11480046
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
森本 信也 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90110733)
|
研究分担者 |
加藤 圭司 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (00224501)
福岡 敏行 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40165270)
|
キーワード | 理科授業 / 自然認識 / 対話 / 活動理論 / 社会的言語 / エスノメソドロジー / アイデンティティー |
研究概要 |
研究最終年であり、データをまとめ、報告書作成を課題とした。報告書の作成過程にお1いては、最終的な理論構築を図り、その検証・修正・強化を授業実践を通して行った。授業実践は、神奈川県の教員を研究協力者として行なった。その結果、次の(1)〜(6)に示す研究のまとめとしての理科の授業理論を提起することができた。 (1)子どもの科学概念構築の主要な契機は、個人的な構成の過程とクラスメイトのそれとの社会的な関係性を通してなされる。特に、社会的な構成の契機が概念構築の精緻化には重要である。 (2)社会的な関係性の内実は子ども個々の間でなされる対話である。対話は、主に言語や記号を媒介としてなされるが、その内実は、イメージ、命題、論理操作、ストリング等多様な要素の相互作用によりなされる。 (3)教材はこうした対話過程に即し、その発展を促進する機能を持つ。したがって、素材の選択はこうした視点に立脚してなされなければならない。 (4)発問、議論、間、板書、導入、ノート指導等の学習指導の方法は、(2)を促進させる視点として位置付けられるとき、これら個々の要素は全体的に統一された対話指向型の教授ストラティジーとしてまとめられる。 (5)対話を志向した授業において、学習評価は子どもの学習の現状を分析しつつ、次の発展を予測する二面性を有する機能を持つ。子どもと教師との相互作用を基礎に置く形成的な評価の過程である。 (6)カリキュラムは対話を志向した授業の進行と共に、その内実を修正・発展させていく。
|