研究概要 |
青少年の健康に関わる危険行動を防止するための総合的プログラムを開発するために,小・中学生のセルフエスティーム,社会的スキル,ストレス対処スキルなどのライフスキルと身体活動,食行動,喫煙・飲酒・薬物乱用行動,性行動などの健康関連行動の実態を把握するとともに,ライフスキルと行動との関係を明らかにすることを目的として,茨城県,埼玉県,千葉県,東京都,富山県,愛知県,愛媛県の小学校4校,中学校3校の小学校4年生〜中学校3年生2,523人を対象として,平成12年5月から6月にかけてパイロット調査を実施した。その結果,体育の授業以外にもよく運動をする,朝食を毎日食べる,喫煙経験がない,ここ1か月間の飲酒経験がない,薬物乱用の経験がない,性交の経験がないといった健康的な行動を実践している児童生徒は,セルフエスティームが高く,好ましい社会的スキルを有し,問題解決やサポート希求などの問題焦点型のストレス対処行動を取る傾向が強かった。以上の結果は,思春期のさまざまな健康関連行動と,セルフエスティーム,社会的スキル,ストレス対処スキルなどのライフスキルとの間には強い関連性があることを示し,危険行動が表面化する前に,ライフスキル教育を導入することの妥当性を示唆している. 以上のようなパイロット調査の結果を踏まえて調査票を改訂し,確率比例抽出法に基づいて全国の小・中・高等学校から小学校22校,中学校16校,高等学校26校を無作為に抽出し,小学校5年生 高等学校3年生を対象として,平成12年12月から平成13年1月にかけて本調査を実施し,現在解析を進めているところである.
|