研究課題
1 総合的な学習の時間の教育課程における特質については、以下のように区分できる。(1)総合的な学習の時間の目標、内容が他の教科等と並列して位置づけられているもので、この場合、総合的な学習の時間の存在理由は、各教科等を横断する課題や現代的課題等を扱う点にある。(2)総合的な学習の時間における学習活動が教科等の学習で生かされる関係に立つもので、探究への関心・意欲や技能、表現等に関する能力、態度を育成するものである。(3)各教科等における学習の深化、発展を総合的な学習の時間で担う役割を担うものである。これらのタイプを想定した時、教育課程における総合的な学習の時間の役割はア.独自領域併置型、イ.学習の基盤提供型、ウ.相互関連促進型等が考えられる。2 各教科と総合的な学習の時間の関連(1)関連を考える枠組みとしてア.補完的・発展的関係といった相互関係の在り方、イ.目標、内容、方法等の学習指導の要素の関係の在り方、ウ.計画と実施、評価といった学習の過程の相互関係、エ.各教科等の特性による関係、オ.指導体制の在り方等が考えられる。(2)関連を規定する要因として、以下のものが考えられる。ア.教科等の特性に対応した関係社会や理科のいわば内容教科の場合、総合的な学習の時間で扱うテーマの内容と関係が深くなり、国語や算数・数学のような技能的教科の場合、そこで扱われている技能が総合的な学習の時間で生かされることが想定される。また、特別活動の場合、児童生徒の主体的な活動を中心とすることから、活動の特性において関連を持つことになる。イ.指導体制の在り方小学校の場合、学級担任が教科と総合的な学習の時間のいずれをも担当することから、教師の指導を通じて両者が関連づけられる。中学校の場合、学級担任が指導に当たる場合と各教科の専門性を生かす形態の場合とでは、相互関連の在り方も異なったものとなる。