研究概要 |
今年度の活動としては,前年度に引き続き、日本語教員養成として「日本事情」をどのように教えるかを考えるための教育的方法およびその理念的な背景について検討し,そのモデルクラスの設置の方法と具体化について研究会等を定期的に催しつつ議論を重ねた。この議論は、「21世紀の「日本事情」」(くろしお出版)第4号に掲載した。 モデルクラスについては、昨年度に引き続き、細川の担当する早稲田大学日本語研究教育センターにおける「日本語・総合」クラスでの実践を記録し、この分析を行うとともに,ここでの学習者の活動と「日本事情」教育としての位置づけの問題について研究会を開催し,討議を行った。 以上のような検討から、昨年度策定した、日本語教員養成として「日本事情」とその教授に関しての3段階の内容をさらにくわしく検討することができた。 この内容に関しては、細川『日本語教育は何をめざすか-言語文化活動の理論と実践』(明石書店2002・1)に詳述した。 今年度は、以上の理論と実践をさらに一般化する方向で取りまとめ、その成果を単行本の形で刊行する予定である。なお、本研究は、4年間の討議を踏まえたものであり、今年度末の報告書において、日本語教員養成における「日本事情」教育のシラバス構築のための試案を作成する予定である。
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