研究概要 |
平成13年度は,交付申請書の項目【A】(8160)16【C】に対応して,以下の成果を得た. 1.非2進数系に基づく各種算術演算データパスの総合的評価を行い,冗長多進数演算アルゴリズムの採用により,演算時間を約30%(8160)1640%程度減少することが可能であるとともに,数系を演算データに応じて最適化することにより,消費電力と配線の複雑さを大幅に減少できることを示した.さらに,上記のような新しいアルゴリズムと多値集積回路技術の相乗効果による高性熊化の可能性を実証するために,SD数系と多値双方向電流モード回路技術を用いたフィールドプログラマプルディジタルフィルタを設計・試作し,多値集積回路技術によりチップ面積をほぼ半減できることを見出した.これと並行して,非2進数系に基づく超高速算術演算システムの自動設計を可能にする新しいCAD技術として,進化的グラフ生成手法(EGG)に基づく回路合成システムを提案し,その有効性をSW数乗算器および多値双方向電流モード回路の合成を通して確認した. 2.本研究で見出された2値および多値CDMA方式に基づくチップ内・チップ間通信技術の特質を総合的に評価するとともに,有効な応用分野について検討した.これにより,将来の実用化に向けた技術課題を明らかにした. 3.酵素トランジスタなどの人工触媒素子を模擬する64個のマイクロ電極を集積化した2次元マイクロ電極アレーを試作し,8個のマイクロ電極を同時制御することにより人工的な2次元の反応拡散場を創出することに成功した.現在,64個すべての電極を同時制御可能なシステムを構築しつつある.さらに,人工的な反応拡散場のパターン形成能力を利用した新しい信号処理の基本モデルとして,ディジタル反応拡散システム(DRDS)を提案した.
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