研究課題/領域番号 |
11480059
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
板野 肯三 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (20114035)
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研究分担者 |
新城 靖 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (00253948)
千葉 滋 東京工業大学, 情報理工学研究科, 講師 (80282713)
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キーワード | 自己反映計算 / 移動エージェント / Javaバイトコード / 電子メール / 小型情報端末 / 利用者認証 / 言語処理系 / セキュリティ |
研究概要 |
本研究の目的は、自己反映計算の技術を用いて効率的に移動エージェント・システムを実現することである。本研究では、電子メールを通信媒体とする移動エージェント・システムFlyingwareを開発した。Flyingwareの特徴は、第1に、自己反映計算の技術を用いて自動的に必要なプログラムを収集する機能があることである。第2の特徴は、電子メールのサーバとJava言語処理系さえあれば、他に特殊なサーバが不要であることである。Flyingwareは、他のノードに移動する時に、次に実行すべき状態を含んだバイトコードを生成する。 本年度は、Flyingwareの内部で用いている自己反映計算の技術を発展させ、Addistantと呼ばれる自動分散化ツールを作成した。このツールの特徴は、構造自己反映計算と呼ばれる手法を用いて、Javaバイトコードを修正する点にある。また、自己反映計算の技術を、並列化コンパイラの実現にも適用した。この方法では、まず予備的な実行を行い、自分自身の振舞いを自己反映計算の技術で観測する。そこから得られた通信パタンを活用して、プログラムの最適化を行い、高速な並列プログラムを生成する。 その他に本年度は、Flyingwareをより安全に実行するための実行環境を実現した。これは、システム・コールに対するラッパ/リファレンス・モニタSysGuardを用いる。また、ネットワーク越しに利用者認証情報を送ることでより強固なセキュリティを実現した。 今後は、実現した移動エージェント・システムを携帯電話等の小型情報端末などでも動作させるように改良していきたい。
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