研究概要 |
研究期間初年度にあたる本年度は,スーパーインテグレーションによるデータ駆動プロセッサアーキテクチャの検証・評価を目的とした,データ駆動型開発支援環境,およびデータ駆動プロセッサエミュレーションシステムについて,以下のような検討を加えた. (データ駆動型開発支援環境) 要求性能仕様に応じた最適なデータ駆動プロセッサシステムの開発支援を行う環境を実現するために,仕様に対するプログラムの正当性を検証支援するデータ駆動型仕様記述環境に加えて,システムの性能を決定する要因となる,プログラムのマルチプロセッサへの配置において,対話的にボトルネックを極小化できる分散配置支援手法を提案した.さらに,想定するシステムの最大スループット・最短ターンアラウンドタイムを仕様記述上に提示し,実時間プログラムの生成支援を行う環境のデータ駆動型実現に着手した. (データ駆動プロセッサエミュレーション) 対話的,かつ自己発展的なデータ駆動プロセッサシステムの開発支援環境を構築するために,データ駆動プロセッサエミュレーションのデータ駆動型実現法を検討した.具体的には,本エミュレーションの核となる,我々のデータ駆動プロセッサを構成するエラスティックパイプラインのエミュレーションにおいて,データ駆動プロセッサの細粒度の多重処理性を最大限に活用できる,パイプラインステージ間のハンドシェイク動作をイベントとする要求駆動方式を採用した.加えて,プロセッサ内の機能要素のエミュレーションを同時並行に実行可能とすることで,プロセッサアーキテクチャの検証・評価に十分な精度を維持しながら,対話的な環境が構築可能な時間でエミュレーションできることを予測的評価により明らかにした.
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