研究分担者 |
瀬田 和久 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (50304051)
來村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20252710)
池田 満 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80212786)
鷲尾 隆 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00192815)
元田 浩 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00283804)
|
研究概要 |
本研究は次世代知識処理システムの基盤となるオントロジーの設計・開発に関する基礎理論とそれに基づくオントロジー構築支援環境を開発することを目的として行われた.具体的には,(1)意味リンクのオントロジー的意味論,identityの理論,関係概念に関する基礎的検討などのオントロジー構築に関わる基礎理論の整備,(2)領域知識と問題解決知識を峻別するドメインオントロジーとタスクオントロジーの理論的検討,及びドメインロールとタスクロールに基づくオントロジー開発方法論の開発,そして(3)開発方法論を支援するコンピュータ環境の設計と開発,を行った.また,石油精製プラントという具体的な対象を設定して実規模のオントロジーを設計し,理論と環境を評価した. 本研究はオントロジーに関する基礎から構築支援環境までの具体的な面を含む包括的な研究を行うところに特長がある.実社会の専門家に受け入れられるオントロジーを一つ開発し,理論と環境を評価することも目的としている.現在までにいくつかのオントロジー理論は散見されるがしっかりと裏付けのある理論とそれに基づく構築方法論は得られていない.本研究は研究代表者のこれまでの実問題を指向した知識処理基盤研究に関する実績に基づいて周囲の要請に応える試みであると言うこともできる.技術的な面について言えば,オントロジーに関わる最も重要な課題と考えられている,具体的なオントロジーを開発するために不可欠なクラス認定や関係同定に直接貢献する理論とガイドラインを得ることを目指した.視野を広く取って知識処理研究全体の立場からみれば,「内容」の核となるオントロジーを形式的に記述することを通して,これまでアドホックな傾向があった内容指向研究に,積み重ねができる基盤技術を提供することができた.
|