科学的発見における認識過程とその自動化に関して、15項目の基礎的観察と仮定をまとめた。これらの基礎的観察と仮定に基づいて、認識過程に関する様々なモデルや自動化ルーツに対して、方法論的な分類を行うことができる。 科学的発見における認識過程とその自動化に関する上記の基礎的観察と仮定に基づいて、強相関論理を基礎論理体系として、科学発見における認識過程をモデル化した。強相関論理に基づいたある形式理論に関して、論理式で表現された任意の命題に対する行為者の認識態度を「明示的な容認」、「暗黙的な容認」、「明示的な拒否」、「暗黙的な拒否」、「明示的な矛盾」、「暗黙的な矛盾」、「明示的な独立」と「暗黙的な独立」という8種類に定義し、任意の命題に対する行為者の9種の可能な認識態度変化を示した。更に、形式理論に対して「認識的演繹」、「認識的拡張」と「認識的縮約」という行為者による3種類の認識操作を定義し、それらの基本性質を示した。これらの基本概念により、認識過程を行為者が知っている知識または信念という出発点から一連の認識操作とその結果の系列として定義し、色々な推論を認識過程として定義できることを示した。基礎付ける論理体系として強相関論理を採用した結果、この認識過程のモデルは、矛盾の存在を許すこと、組合せ的爆発を避けること、論理的全知を避けること、自然な非単調性を持つことなど従来提案された認識過程モデルにはなかった望ましい性質を持っている。 認識的プログラミング言語の設計のために、認識過程の強相関論理モデルの計算的性質、計算の複雑さ、前向き自動演繹機構、認識状態修正機構、会話的機能、プログラミングのしやすさ、利用者インターフェースなど各側面から認識的プログラミングパラダイムに対する基本要求を明確にしている。
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