機動的生産のためのバーチャル生産システムに関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11480095
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 中村 信人 広島大学, 工学部, 教授 (70016575)
• 研究分担者: 森川 克己 広島大学, 工学部, 助教授 (10200396) ; 高橋 勝彦 広島大学, 工学部, 助教授 (00187999)
• キーワード: 機動的生産 / バーチャル生産システム / システムダイナミクス / プロジェクトスケジューリング / リエントラント生産システム / リサイクリック生産システム / ロバストネス / 分枝限定法

研究概要

環境変化に対して機動的に対応できる機動的コントロールシステムについて研究することにより,機動的生産(Agile Manufacturing)の実現を目指すために,本年度は,下記についての研究を行った.
1.プロジェクトスケジューリングに対するシステムダイナミクスとネットワークアプローチの統合:大規模で複雑なプロジェクトスケジューリングに対して,連続型システムに対するシミュレーション言語であるシステムダイナミクスを,PERTやCPMなど従来からのネットワークアプローチと統合した方法論を提案し,ケーススタディによりその有効性を示した.
2.複雑な構成を持つ生産システムに対するスケジューリング方策:複雑な構成を持つ生産システムとして,同一の生産工程で複数回の処理を受けるリエントラント生産システム,および市場に供給した製品を回収して再生産するリサイクリック生産システムに対して,スケジューリング方策を提案し,待ち行列理論の平均値解析,および確率過程のマルコフ解析を応用して,その特性を明らかにした.
3.ジョブショップにおけるメイクスパン最小スケジュールのロバストネスの最適化:スケジュールのロバストネスを,スケジュール中のオペレーションの完了が1単位遅れた場合に開始が遅れるジョブ数と定義し,そのロバストネスを分枝限定法により最適化するためのヒューリステックを提案し,その有効性を数値実験により示した.

研究成果

• [文献書誌] Myreshka: "Peformance Analysis for Investment Plan through Better Integration of 'Hard' Resources and 'Soft' Human Factors in a Company"Proc.5th Int.Sympo.Logistics. 1. 18-25 (2000)
• [文献書誌] Ueno,T.: "A Production Strategy for Production and Inventory Systems with Reproduction and Disposal"Proc.5th Int.Sympo.Logistics. 1. 227-234 (2000)
• [文献書誌] Nakamura,N.: "Combining System Dynamics and Traditional Network-based Approaches for Planning and Control of Project Management Processes"Proc.2000 Japan-USA Sympo.Flexible Automation. 1. 13089-1-13089-4 (2000)
• [文献書誌] Takahashi,K.: "An Adaptive Production System of a Single Process with Controllable Processing Time"Proc.2000 Japan-USA Sympo.Flexible Automation. 1. 13090-1-13090-4 (2000)
• [文献書誌] Sumi,Y.: "Scheduling Policies Combining Different Buffer Priority Rules in Each Work Center of Re-entrant Lines"Proc.5th China-Japan Sympo.Industustrial Management. 1. 143-148 (2000)
• [文献書誌] Morikawa,K.: "A Heuristic for Optimizing the Robustness of Minimizing Makespan Schedules in a Job Shop"Proc.5th China-Japan Sympo.Industustrial Management. 1. 149-154 (2000)