1、最繁時呼損率から求めた回線数(回線数算出) 救急車よりの医療画像は、回線利用時間(東京都の資料より平均27分、搬送患者の8.5%が重症であり、この重症者を対象として回線を使用)は比較的短いものの、一旦通信が成立すると、伝送の所要時間の割合が高いといった特徴がある。ポアソン分布、アーレンの式より最繁時呼損率を求めた。東京都6回線、全国50回線。 2、救急車内での患者画像の取得、臨床診断とデジタル動画像圧縮率の関係(帯域算出) 診断と画質(圧縮率)の関係の検証 救急車内患者の動画像評価、衛星の回線設計(想定)より伝送可能な帯域を求める。情報量がどの程度診断(テレメディシン)に役立てられるかを推測する。救急車内の固定カメラ(上方より)患者の状態を記録する。この画像をデジタル変換し、圧縮(MPEG-2)をかけていく。どの程度の圧縮で診断ができなくなるかを臨床医で評価する。少なくとも3Mbps MPEG-2が望ましい。 3、COMETS衛星データ解析 昨年7月に取得したCOMETS衛星(高仰角衛星:非静止衛星)からの電波を車載用衛星追跡システムにて測定した。これは将来の8の字衛星やツンドラ軌道の衛星による通信回線の質を予測する上で貴重なデータである。ことに都市環境での仰角とshadowingの関係をビーコンの受信電力を測定、この時の方位、仰角も記録、我が国における道路事情との関係を求める。静止軌道では、東から西向きの走行で南側の衛星がshadowingを受けやすいことが分かり、さらにこの点に絞り、COMETS衛星データの比較、解析した。回線成果は、AIAA(米国航空宇宙学会に発表予定2001年) 我々が目指す救急車からの高速データ通信システムは、危機管理システムとして極めて重要なものと考える。
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