研究課題/領域番号 |
11480099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大町 達夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90126269)
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研究分担者 |
築山 洋 株式会社築山研究室, 室長
岩崎 伸一 科学技術庁, 防災技術研究所, 室長
今村 文彦 東北大学, 工学研究科, 助教授 (40213243)
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キーワード | 津波 / 北海道南西沖地震 / 海底地震計 / 海底津波計 / 伝達関数 / パプアニューギニア地震 / 三陸沖地震 |
研究概要 |
断層運動に伴う海底の動的地盤変位が海面変動(津波)に与える影響を検討した。その結果、断層近傍で従来手法の仮定よりも2倍以上波高が大きくなることが明らかになった。この点は従来手法による予測とは大きく異なるが、遠方での津波波高は従来手法による解析と大差はなかった。北海道南西沖地震津波のアニメーションを作成した。その結果、レイリー波による海面変動は、断層正面のみに限定して発生することが分かり、このことは、実際の検潮記録とも符合している。これらの研究成果を国際会議(韓国、ギリシャ、ニュージーランド)において発表したところ、国内外の地震・津波研究者は強い興味と関心を示した。また、単純な2次元モデルを用いて地震動-水圧-波高系の伝達関数を算定した。その結果、地震動-水圧系の伝達関数は水深から決まる固有周期で卓越する、水圧-波高系の伝達関数は水深ごとに一定の勾配をもつなどの知見が得られた。さらに、東北大学、東京大学より提供された三陸沖の地震データと海底津波計データを用いて地震動-水圧の伝達関数を算出した結果、解析結果と観測記録の伝達関数は周期6秒以上で一致した。(大町、岩崎、築山) 津波の波源モデルの検討として、パプアニューギニア地震津波の例を取り上げ、波源パラメータの検討や地震以外の原因による津波の発生の可能性を検討した。その結果、海底谷などの複雑な海底地形やシッサノ沖での海底地滑りの影響が津波を増幅した可能性が高いことを示した。また、三陸沖で発生した小規模地震による津波の解析を行った。これは、釜石沖の海底津波計で初めて観測された例であり、その波源について逆解析を行った。(今村)
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