研究課題/領域番号 |
11480100
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤松 純平 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10027279)
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研究分担者 |
中村 佳重郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (20135510)
駒澤 正夫 工業技術院地質調査所, 地殻物理部, 主任研究官
西村 敬一 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (60025468)
西田 良平 鳥取大学, 工学部, 教授 (90027269)
盛川 仁 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60273463)
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キーワード | 脈動の2sSPAC解析 / 脈動のH / Vスペクトル比 / ブーゲー重力異常 / 中国雲南省麗江盆地の基盤構造 |
研究概要 |
脈動観測の省力化と脈動のH/Vの構造探査への適用限界の調査研究、ならびに重力基盤構造の調査のための重力測定を、中国雲南省麗江盆地を対象に中国雲南省地震局および麗江地震局の協力を得て実施した。また、本研究遂行のためには、地質条件のいろいろ異なる地域での観測事例が必要であり、鳥取平野、彦根市、児島湾干拓地、千葉県下の宅地造成地(盛土)などで、脈動観測、重力測定を実施した。 (1)脈動観測資料の利用では、新しく開発した2点による空間自己相関(2sSPAC)法によりアレー内の平均的な速度構造を求め、この速度値を用いて水平動/上下動スペクトル比(H/V)から観測点直下の基盤岩深度を推定した。この方法は、奈良盆地など水平方向の不均質の大きくない地域で開発されたものであるが、得られた結果は屈折法地震探査結果と整合しており、麗江盆地のような大陸内部の狭隘な山間盆地においても適用可能であることが示された。 (2)これまでの重力データをおぎなって、平成10年夏には、ブーゲー仮定密度を精度よく推定するための標高差のある盆地周辺山地での測定、ならびに盆地内埋没断層による重力異常の検出を目的とした細密測定を実施した。得られた3次元重力基盤構造は、脈動観測や地震探査の結果と整合しており、構造探査に脈動と重力とを併用することの優位性が示された。さらに、この観測を通じて、デファレンシャルGPSによる測位データが、測点の位置決定のみならず、地形補正用データ作成にも有効であることが確認された。 (3)上記の観測・解析事例を検討する研究集会を、平成11年12月16〜17日に鳥取大学地域共同研究センターにおいて開催した(「地質環境の変遷と地震動予測に関する研究会」との共催)。分担者を含め28名が参加したこの集会では、本年度の研究の問題点の整理と次年度以降の研究方法が議論された。
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