極限ベータ磁場配位におけるスクレープオフプラズマ流の挙動解明

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11480108
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 後藤 誠一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029140)
• 研究分担者: 大久保 衛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50243168) ; 杉本 敏司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70187665) ; 岡田 成文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40135661) ; 井 通暁 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324799) ; 吉村 智 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294029)
• キーワード: 磁場反転配位 / 極限ベータ配位 / スクレープオフプラズマ / ミラー磁場 / 静電プローブ / 磁気プローブ

研究概要

磁場反転配位(FRC)は、極限的に高いベータ値(セパラトリクス内のベータ値の平均値=90%)を有する高温プラズマ閉じ込め配位である。FRCによる核融合炉の実現は、発電コストの大幅削減をもたらすと思われる。また、中性子発生が少なく環境適合性に優れたヘリウム3核融合実現の端緒となると考えられる。
FRCプラズマは、本質的には長楕円トーラスであるが、その両端はミラー磁場となっており、いわば直線装置との複合配位である。高温のコアープラズマからセパラトリクス外へと流出したスクレープオフプラズマ流の振る舞いは、ミラースロートが存在するために、トカマクなどの低ベータプラズマとは異なる性質を示すと考えられる。
本研究課題の目的は、このスクレープオフプラズマ流の挙動を解明することにある。本年度は、昨年度に行った実験装置の整備および予備実験の結果を踏まえて、静電プローブと磁気プローブを用いた周辺プラズマの測定(本実験)を行った。その結果、スクレープオフプラズマ流が流体的な挙動を示すことを明らかにした。また、ミラー比の増大が閉じ込めを良くする傾向が示された。

研究成果

• [文献書誌] T.Asai, et. al.: "Improvement of plasma confinement on a field-reversed configuration with strong mirror field by neutral beam injection "Transactions of Fusion Technology. 39. 366-369 (2001)
• [文献書誌] K.Yamanaka, et. al.: "Alfven wave heating experiment of field-reversed configuration plasma in the FIX device using low frequency-magnetic pulse"Transactions of Fusion Technology. 39. 370-373 (2001)
• [文献書誌] Y.Suzuki, et.al.: "Two-dimensinal numerical equiliblia of field-reversed configuration in the strong mirror field"Physics of Plasmas. 7・10. 4062-4069 (2000)
• [文献書誌] K.Yamanaka, et. al.: "Heating experiment of field-reversed configuration by low-frequency magnetic pulse"Physics of Plasmas. 7・7. 2755-2758 (2000)
• [文献書誌] T.Asai, et. al.,: "Experimental evidence of improved confinement in a high-beta field-reversed configuration plasma by neutral beam injection"Physics of Plasmas. 7・6. 2294-2297 (2000)
• [文献書誌] K.Kitano, et. al.,: "Axial length and separatrix radius behavior of field-reversed configuration plasma in a dynamic compression of mirror distance"Physics of Plasmas. 7・4. 1158-1162 (2000)